大般若長光

大般若長光は名匠備前長船長光の作である。600巻におよぶ 経典大般若経にあやかった名で、600(現代の3000万円以上に相当)の価値があると言われた高価な刀である。現在では国宝に指定されている。もともとは足利十三代将軍の義輝の持ち物だった。 義輝は剣の名人として名高い塚原卜伝から剣術の教えを受けている。 そのため史上まれに見る剣豪将軍として知られている人物である。また大名聞の調停などを積極的に行い、 当時弱体化していた幕府と将軍家の 権威を取り戻そうとするなど、政治的手腕にも秀でていた。

しかし将軍家を低価として権力を伸ばしてきた三好 一族は、そうした義輝の才気を疎み、より抜いやすい足利義栄を将軍に据えて笑権は自分 たちが握ろうとした。そこで三好家の重臣、松永久秀と三好三人衆 三 (好一長逸・ 三好政康・岩成友迎)が中心とな って義姉に謀反永禄の変)をおこす。