孝明天皇にとっての刀の存在

現在では日本刀はその美しさを競うものと見られることも多いのですが、戦国時代は重要な武器でもあり武士の魂とも言われるものでした。しかし多くの貴族や天皇家にとっては現在と同じように様々な節目節目で作るものであり、芸術品や記念品の意味合いが高かったのが実態です。その中で孝明天皇は伝正宗という名刀を非常に大切にしており、まるで武士のように心を寄せていたことがわかっています。

孝明天皇は日本が米国から開国を迫られ、また様々な討伐運動のきっかけとなった戦乱が激しい時期に天皇の座についた人物で、歴史の転換期の中で重要な役割を担っていた人物です。当時の幕府の政治に疑問を持ちながら、それでも米国の要求に応じて開国をすることを拒み、日本国内で幕府と天皇家が共存する道を模索した人物となっており、その孝明天皇が崩御したことが幕府の終焉を加速したとも言われています。